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原型制作者
小野寺 玉峰
その昔、ギリシャにアグライア、タリア、エウプシロネという三美神がおって、あらゆる青年を悩ましたそうであるが、ギリシャのみならず彼女らはルネサンスにも現代にも出没して、彫刻家、画家、詩人を誘っては、その制作欲を刺激している。多くの巨匠達も又、その虜の一人であったのだ。私のこの群像は、とくに女王も影の引立役もない、皆同じ仲間である。彼女達は最早神像ではなく、美しくほほえましい三人の娘達(希望、信仰、愛情)のシルエットである。これまでに制作した数多くのメダルの中で、特に制約を受けない創作の一点であり、第三回展に因んだ私の心の中の小さなモニューマンである。